特定非営利活動法人
児童養護施設支援の会
<子どもの教育環境の整備>
当会は東松島市とCWニコル・アファンの森財団が推進する、公立小学校初の「森の学校プロジェクト」を協力支援しています。
東日本大震災によって被災した保育所や小学校、中学校を支援しています。
当会が事業所を置く東松島市では、野蒜保育所、牛網保育所、小野保育所、大曲保育所、大曲浜保育所、その他保育所や民営の保育園。大曲小学校、浜市小学校、野蒜小学校、鳴瀬第二中学校が大きな被害を受けました。
その中でもより被害が大きく現在も不自由な施設運営を余儀なくされている、保育所や小中学校を重点的に支援しています。
<子どもが個性を伸ばせる居場所つくり>
当会は2008年5月に発足しました。「児童養護施設を支援するための団体」として始まり、私たちも様々な支援活動を通して様々な事を学び、将来的な当会の在り方についても、日々その理想とする形は移り変わり続けています。「何を目的とし、何を目標とするのか」会の将来についての質問を受けることがあります。
★児童養護施設とそこで暮らす子供たちの支援★
親と離れて施設で暮らす子供達は社会に出るとき、一般の人々が思いもよらない事で躓いたりします。例えば、普通の家庭のお風呂の沸かし方が判らなかったり、炊飯ジャーの使い方が判らなかったり、電話の受け答えの常識が備わっていなかったり。大勢で生活し一斉に配膳される大舎、中舎制の施設では、普通の家庭にあるような自然な生活環境そのものに経験値が無かったりするのです。
もう一つ大きな課題は、「社会での孤立感」です。共に同じ様な境遇にあって預けられ、施設で暮らす子供たちの中に囲まれている場所から、突然一般の社会人としての生活環境に変わることで、孤独感を感じる子供は多くいます。職場や友人関係においても、自分の気持ちを正直に話し合えるような「仲間」を持てないまま、何か小さな事に躓いて、そのまま離職してしまったり、道を外れてしまうケースも多くあるのです。
★施設から社会への旅立ちの支援が必要★
集団生活から一人の社会人として独り立ちするまでの、中間的な時期をもっと重要視して、メンタル的な教育や経験をサポートしながら、社会に出ても戸惑わない、孤立感を感じないような環境に置いてあげることが必要であると考えます。メンタル的な部分の他にも、現実的な課題は沢山あります。携帯電話やアパートの賃貸契約における保証人も誰かがならなくてはなりません。これらの問題点を補助できるような仕組みをきちんと作って行くことも、社会人として孤立しないためには非常に大事です。当会が出来る事は、その辺に有ると考えています。
★全く違う考え方の施設を創りたい★
コミュニティの中から脱落してしまう子供というのは居るものです。この事は施設に限った話ではありません。学習が遅れたり、又は能力はあるのに諦めてしまったり、競争や比較の仕組みの中で「努力をやめる子」は多くいます。児童養護施設の中でさえも、集団の流れについて行けず、ドロップアウトしてしまう子供はいるのです。彼らは行き場を無くします。施設を飛び出してしまったり、非行に走ってしまったり、その先にある結果は決して良いものではありません。
★生きるための知恵を育てる場所★
たとえ義務教育の年齢であっても、それを強要することが良い結果に結びつかない場合には、無理に勉強をさせる必要はありません。数学や科学の知識より社会生活で必要とされるもっと基礎的なこと、例えば料理であったり、釘の打ち方であったり、車の運転であったり、作物の育て方であったり、思いやりを持って他人と接する方法であったり、自分が自信を持てる特殊な技術であったり。そう言う雑多な物事を経験する場所。雑多な経験の中から自分が学びたいと思えることを自由に見つけられる場所。そんな場所を創ってあげられたら良いのに、と思うのです。それは既に、従来の児童養護施設とは形の違うものであり、一概に「正解である」とは言えない場所かもしれません。それでも私は、行き場の無くした子供たちに、何か自分に自信を持たせてあげられるような、そんな場所を与えてあげたいと考えるのです。
★震災遺児の支援★
2011年3月11日の震災を境にしてに、多くの震災遺児が世に生まれました。この子供たちの支援は、少なくとも十数年に渡って考えてゆく必要があります。人と人としての自然なつながりへ私たちはすでに、一部の民間企業、民間人、団体などの協力を得て、独自に震災遺児の支援活動を始めています。この活動はまだ始まったばかりで、多くの課題を抱えていますが、単なる経済的な支援にとどまらず、人と人が触れ合うような自然な人間関係を形成して行けるよう現在取り組んでいます。